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5月24日(金)夜 震災前釜石には戦災未亡人のために作られた飲屋街「呑兵衛横丁」というものがあり20軒以上の飲み屋が軒を連ね「とんぼ」はその飲み屋の一つでありその頃から「MESA」のツアーには「とんぼ」はセットであった、いや「とんぼ」に行くために「MESA」へ行っていたのかもしれない。 その後震災でこの呑兵衛横丁も津波でなくなり一時は仮設店舗で営業していたが昨年仮設店舗も終了、一時は閉店の噂もあったが継続を望む熱いファンの要望に答え現在は駅前にて営業を続けてくれている。とんぼにはメニューがない。僕ら平成育ちの新人類にはこのような昭和のシステムは新鮮この上なく、カウンターに座り飲み物を注文するだけで食べ物はその日の仕入れや季節の食材を使った料理を僕らの箸の具合を見ながら提供される。 家庭料理なポテトサラダから始まり、この時期の山菜シドケの和え物やカレイの煮付け、そしてお刺身は定番のホタテやカジキなどに加え三陸のクジラを食べることができる。震災前に初めて連れてきてもらったとんぼで食べたクジラは僕のクジラのイメージを覆しクジラとは美味いものなんだと思い知らされたことは衝撃的であった。今回も参加者の中にも「クジラは給食」と高度成長期の遺物であるクジラに対するイメージをお持ちのようであったがとんぼ(三陸)のクジラを食べ、クジラとは美味いものと記憶にとどめていかれたかと思う。 お酒は生ビールから日本酒を経て、梅沢富美男のレモンハイへと移行し釜石の夜は更けていく、それでもお会計は計算したのかしていないのかいつも最後は3000円。
by the-surface
| 2019-06-04 07:28
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